小松だよ!小松市の史跡・古道探訪!!

石川県 小松市

旧小松海軍航空隊の兵舎


小松市に残る戦争遺跡




撮影日:2008年12月、小松市那谷寺駐車場、バス停付近。




旧海軍兵舎、解体へ 小松、倒壊寸前も10年間先送り

 戦後間もなく小松市那谷町に移築された旧小松海軍兵舎が今夏、姿を消す。朽ちる一方の建物内に寺院があり、管理する
町内会が「壊すに壊せない」状態が10年間続いていたが、寺院が町内に移転し、解体が決まった。

 石川の戦争史を伝える建物の消失を惜しむ声もある中、跡地は平和を象徴する広場として生まれ変わり、地域に新たな歴
史を刻む。 解体が決まったのは、那谷寺の駐車場に隣接する木造2階建ての那谷町福祉会館。もともとは、戦後に住民が
江沼郡篠原村(現加賀市新保町)から移築した旧小松海軍航空隊予科練習生の兵舎で、老朽化が進んでいた。

 那谷町内では1999(平成11)年に町会館が完成、不用になった福祉会館の解体計画が持ち上がった。しかし、建物1階
奥のガラス戸で仕切った一角には53(昭和28)年から浄土宗の寺院「三光(さんこう)院(いん)」を併設する特殊事情があり、
同院が所蔵する阿弥陀如来像や宝物の処遇もあって計画は進展していなかった。

 状況が大きく変わったのは昨年秋。新たに三光院住職に就いた浄土宗本山布教師の中塚時眞(じしん)さん(63)=神奈川
県鎌倉市=が那谷町内の医院跡地を移転先として購入。整備を終えて今月14日、仏像8体と宝物を移し出し、福祉会館の
解体が決まった。中塚さんは「埃(ほこり)まみれになっていた仏様を救いたかった」と話す。町内会は建物内に残る民具など
を町民に回収してもらった後、取り壊しを予定している。

 被災を免れた石川県内で、旧海軍兵舎は戦争の歴史を伝える数少ない施設。能美小松郷土史の会の後藤朗会長=小松
市土居原町=ら一部市民からは「航空隊の歴史を物語る建物が姿を消すのは寂しい」との声も漏れる。

 それでも的場明治町内会長は、建物は倒壊寸前の危険な状態とし、「跡地は桜の見える芝生広場として生まれ変わらせた
い。町民が憩える場をつくることが、戦争を体験し平和を願った先人に応えることだと思う」と話した。


記事引用:2009年6月17日 北国新聞














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